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築古のマンションをリノベーションする時の注意点

中古マンション市場が活発です。築古マンションをリノベーションする手法が盛んに行われ始めて以来、築古マンションを選択肢に入れる人が増えてきました。しかし、古いマンションは、最新設備を導入できない場合もあります。今回は、築古マンションのリノベーションを検討している方に、注意点をお話します。

※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。

築古リノベーションの注意点

 

マンションリノベーション

マンションのリノベーションにはある程度の制限がかかります。

大前提としては、RCのマンションは、部屋の周辺がコンクリートで囲まれているため、そのコンクリートに手を加えることは基本的にできません。そのため、窓のサッシや、排水管の縦管が入っているパイプスペース等、加工ができない箇所が生じます。

 

給排水管の交換

リノベーションの時に一番気にするポイントが、給排水管の交換工事でしょう。

古いマンションは、鉄管という鉄でできた素材の配水管を利用していることが多いです。今は塩ビが主流ですが、鉄ですと、長期間の利用により、腐食して漏水や赤水の原因になります。そのため、リノベーション時に交換をすることが多いのです。

古いマンションは、この給排水管が、コンクリートに囲まれた箱の中にないことが多くあります。コンクリートで囲まれた箱の床部分に穴を開け、下の階の天井部分に回しているのです。

この形状の配水管の場合、交換工事が難しいのです。

下の階の天井部分を開口しなくてはならない為、下階の所有者の協力が必要となってしまいます。その工事は、一部開口だけで済むこともありますが、大掛かりな工事が必要な場合もあります。

この場合、なかなか協力を得ることは難しいでしょう。

   

天井配管の見抜き方

部屋を見ただけでは、この配水管の位置はなかなかわかりにくいのですが、ポイントがあります。

お風呂の点検口がある場合は、簡単です。点検口を開けてみて、そこにダクト以外の配管がある場合は、そこに上の階の配水管があるという事になります。

そうなると、上階の配水管が、自分の物件の天井に入っていますので、自分の配水管は下階の天井にあるということが推測できます。

また、配水管が床下にある場合は、10~15㎝ほどの高さが必要になりますので、床の高さを見てみるのも有効です。

玄関土間の位置が、コンクリートの箱の床になりますので、そこから水回りの床との間の高さを測れば、そこに配水管があるかどうかが推測可能です。

廊下から床が上がっているケースもあれば、水廻りだけ上がっているケースもあります。

ただ、壁の間に給排水管を入れているケースもあります。この場合は、ユニットバスの点検口から確認するしかありません。

 

エアコン取付とサッシ

 

エアコンが設置できない

エアコンが付けられないこともあります。

エアコンの設置には、室外機置場とそこからドレーンと冷媒管を本体に接続することが必要です。そのため、室外機から本体までの間にあるコンクリートに穴が開いていないと、通常の施工ができません。

穴の大きさにもよりますが、最低でもエアコン2個につき、一つの穴が必要となりますので、設置しようとしているエアコンの個数に比べて、穴が足りない場合は、コンクリートに穴を開けなければなりません。

コンクリートに勝手に穴を開けてしまうと、耐震性能に影響が出ますので、必ず管理組合に確認が必要です。ですから、こういったケースでは購入前に、管理会社に確認をしましょう。

窓枠にステンレスのプレートを挟んだりして代用することも可能ではありますが、サッシの利用が制限されることになりますので、できれば穴を開けたほうが良いでしょう。

 

網戸のレールが無い

昔のマンションにおいては、網戸が設置されていないことがあります。

網戸自体は数万円なので、新規設置に特段コストがかかることもないのですが、網戸のレールが無いケースがありますので注意が必要です。

特に古い団地や腰高の窓の部分などは網戸が想定されないで建築されていることがありますので、網戸のレールの有無を必ず確認しましょう。

網戸のレールが無い場合、加工することで設置が可能となることもありますが、費用も掛かりますし、加工の可否も状況によりけりですので、事前に確認したほうが良いでしょう。

 

水廻りの壁を破壊できない

マンションの部屋はコンクリートに囲まれており、そのコンクリートは加工できない点は前述しましたが、

このコンクリートが室内の間仕切り壁に利用されていることがあります。

特に多いのが水廻り周辺の壁ですが、水廻り周辺の壁がコンクリートの場合は、水廻り周辺の間取り変更ができなくなりますので注意が必要です。

この見極め方は、叩いてみるのが一番です。軽く叩いてみて、軽い音がする場合は石膏ボードの壁なので、加工が簡単です。音が響かない、重い音が鳴る場合は、コンクリートなので、加工ができないと考えても良いでしょう。

重い音が鳴る場合でも、コンクリートではなくコンクリートブロックの場合もあります。コンクリートブロックの場合は、管理会社の許可のもと、加工ができますが、解体や処分費が多くかかりますので注意しましょう。

 

昭和40年代のマンションが建築されてから、40年以上経過しています。その間に日本人の生活様式も大きく変化してきていますので、昔に建設されたマンションを完全に今の生活に合わせることは難しいでしょう。
しかし、ある程度の制限はあれど、立地もよく、低価格の中古マンションは魅力です。今回の注意点などを参考にしつつ、ある程度妥協できるとこは妥協してみても良いかもしれません。