かつてのリーマンショックにおいては、倒産する企業が続出し、失業者が多数出ました。そこで生まれたのが、失業者向けの貧困ビジネスです。
不動産業界においても貧困ビジネスが流行しましたが、現在の経済状況において、また流行の兆しが見えてきています。
※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。
生活保護受給者を狙った貧困ビジネス
生活保護受給者の賃料は安定している
所有物件を賃貸する際に、入居者の属性審査は必須です。なにより、賃貸オーナーが恐れるべきことは、何よりも賃料滞納及び回収リスクであるためです。
ということで、一見、生活保護受給者は、貧困により滞納リスクが多いと思われがちなのです。
しかし、国からの安定収入が収入の原資である。という事で、
そのあたりのパートやアルバイトで収入を得ている人に比べてもはるかに滞納リスクが少ないという見方をしている人達もいます。
風呂無しボロアパートを満室に
生活保護受給者は、上記の理由のとおり、基本的には入居審査を通過することが難しい人たちが多いです。そのため、賃貸の入居ができるだけでありがたい話となります。
風呂がなかろうが、内装がぼろぼろだろうが、入居できるなら入居します。
ですから、この生活保護受給者をターゲットにすれば、風呂無しのボロアパートでも満室経営ができてしまうのです。
進化していく貧困ビジネス
ここまでの話は、賃貸入居が困難な生活保護受給者に対して、住居を提供するという、社会貢献の要素もあり、ある意味、賃借人と賃貸人がフェアな立場のビジネスではあります。
この後、このビジネスモデルがどんどん展開していきます。
街で徘徊するホームレスをスカウト
生活保護受給者を賃借人とする賃貸経営をビジネスモデルにしてしまった人たちは、新規で生活保護受給アパートを提供するにあたり、スカウトすることを考えつきました。
街で徘徊するホームレスは、生活保護の仕組みを知らない人たちが多く存在する為、その人たちに、生活保護の制度を説明して、住居に住めることを伝えることで、入居者をどんどん増やすことが可能になりました。
食事や家電のレンタル代をコミコミに
元々ホームレスであった生活保護受給者は、大抵お金の使い方が下手です。下手が故にそういう状態になったわけですから、当然ですね。
ですから、生活保護受給申請を手伝って、住居を提供してあげたとしても、余ったお金はすべて遊興費(パチンコなど)に使ってしまいます。
そこで、貧困ビジネスの人たちは食事提供や家電レンタルをすることを思いつきます。
一日3食弁当の支給、家電のレンタルと賃料で、生活保護費の殆どを搾取することにするわけです。
生活保護受給者は、一日3食ご飯を食べることができて、テレビを見て生活することができるのです。
生活保護ビジネスは救済なのか搾取なのか?
不況になり失業者が増えると、この手のビジネスモデルが活発化することになります。一方の見方をすれば、貧困の方を救うための社会貢献要素の高いビジネスモデルですが、一方の見方をすれば、国の生活保護受給制度を悪用した、貧困を利用した搾取ビジネスとも捉えられます。
判断は難しいところですが、リーマンショック時にこの生活保護ビジネスが流行ったときには、生活保護受給者がかなり増加し、地方自治体をかなり圧迫しました。
生活保護の資金は、我々の税金が原資です。適切な人々に対し、適切な方法で援助をしてもらいたいものですね。