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不動産屋が自分で住むなら、新築マンションか中古どっちを買うのか?

新築マンションVS中古マンション論争はいつの日もずっと行われていますね。新築がいいのか中古がいいのか、この問題は決着がつくことは無いと思います。
では、業界人としての立場では、どっちを選ぶのでしょうか?筆者の考え方を独断と偏見で語ります。

※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。

不動産屋が選ぶのは新築?中古?

 

新築マンションの良さ

新築マンションのモデルルームには、独特の雰囲気があります。今は建っていないマンションが、今後建つという期待感、ワクワク感。

モデルルームでこの雰囲気を味わうと、これから建つ素晴らしいマンションに胸を膨らませてしまい、つい、申し込みをしてしまいます。

新築マンションは、ほかの誰も住んだことが無い部屋に住むので、真っ白なキャンパスに自由に落書きするような感覚が得られ、他の誰かが住んでいたという生理的嫌悪感とは無縁です。

設備も、最新設備が入るでしょうし、内装も最新トレンドの色味で仕上がるので、最新の設備内装で、友人にうらやましがられるような生活を送れます。

 

中古マンションは

一方、中古マンションはどうでしょうか。

他人が使い倒した設備を使うことになるので、くすんだ生活が想像できます。

設備も一世代前のものなので、目新しさは無いですし、新生活の楽しみは味わえません。水回りも誰が使ったかわからず、なんとなく生理的な嫌悪感もありますね。

友人にマンションを買ったと報告しても、たいして話題にもならないでしょう。

結婚や出産のステージで始める新生活なのに、夢や希望は皆無です。

 

それでも不動産屋は中古マンションを選ぶ

やや誤解を招くタイトルです。

不動産屋というよりは、筆者が、という視点になりますが、長らく不動産業界にいる筆者は、中古マンションを選びます。

なぜか?それは、居住コストと資産性を現実的に考えてしまうからです。

もちろん、住居には夢や希望は大事な要素です。毎日暮らす場所なので、生活のメリハリは大事ですから。

しかし、新築マンションでも結局数年経過すると、飽きが生じてきます。設備は古くなりますし、内装は汚れてきます。

新築マンションの夢の生活は、数年で無くなってしまうのです。

新築マンションは基本的に、中古物件より高い値付けがされることが多いです。理由としては、この新生活への夢や希望に価値を感じて購入する人が多いからです。新築プレミア価格という事ですね。

ということは、新築マンションは、この新生活の夢の分、価格が乗っているとも言えますね。ですから、筆者は、この数年で消える夢の分をコストとして捉えてしまうのです。ある意味悲しい職業病ですが…

 

マンションはコストと資産性

新築と中古の話をしていますが、結局は不動産で最も大事なのはコストと資産性のバランスです。今までの話は、中古の方が、その二つの要素が揃っているケースが多いというだけです。

 

居住費というコスト

居住費は人生の大半を占める必要費なので、この居住費にお金を費やしてしまうと、居住費以外に使えるお金が激減してしまいます。

例え、誰もが羨むマンションに住んだとしても、そのせいで他の贅沢ができなくなってしまったら、身も蓋もありません。住宅だけが人生のすべてではないのですから。

新築プレミア分のお金を節約したら、他にどれだけのお金を使えるのでしょうか

旅行や家具、食生活、こういったものでも豊かさを味わうことができるはずなのに、居住費に多くのウエイトを投入することは、避けたいところです。現実的で面白くはない話ですけども。

 

重要な資産性

マンションに重要なのは資産性です。資産性の高いマンションとは、言い換えると、需要の多いマンションという事です。需要が多ければ、買い手を見つけやすいので、価格は下落しづらいですし、売却しようと思った際には、すぐ売却できます。

資産性の高いマンションを保有すると、住み替えをする時に絶大な効果を発揮します。

何らかの理由によって住み替えをしなくてはならなくなったときに、需要の多い、資産性の高いマンションを保有していた場合は、迅速に、そこそこの金額で売ることができますので、簡単に住み替えをすることができます。

 

資産性の高いマンションであれば新築でも中古でも

という事は、新築だろうが、中古だろうが、居住コストが許容範囲内で、かつ資産性が高ければどちらでも良いとも言えます。

あくまでも、中古マンションの方が資産性とコストのバランスが良い傾向があるというだけの話です。

現実的に、人気の立地で売り出される新築マンションなどは、新築分譲価格以上の金額で流通することもあります。

ですから、新築マンションであっても、価格が自分の収入に対して許容範囲内であって、資産性が高いのであれば、その選択もアリですね。

 

POINT
・マンションはコストと資産性のバランスが大事
・中古マンションは新築プレミアが無いため、バランスが整っている傾向
・資産性があり居住コストが許容範囲であれば、新築の選択もアリ
・収入の大半を居住費につぎ込むと、他の贅沢ができなくなる

 

中古マンションのリノベ―ション

中古マンションを選択したとしても、新築マンションのプレミア感を味わうための代替手段としては、リノベーションという方法もあります。

もちろん、共用部分などは、リノベーションできないので、完全に新築と同じ生活体験をすることはできませんが、少なくとも室内に関しては、新築とほぼ同等の状態に改修することが可能です。

リノベーションの得意な会社や、中古マンションをリノベーションして、売り出しているリノベーション会社などもありますので、中古マンションで探す場合には、そういった物件を探してみるのも良いのではないでしょうか。

 

この記事は、筆者の独断と偏見での話になりますので、必ずしもこれがすべてではありません。新築マンションのほうが、生活の質が向上することは間違いないですし、そこに価値を感じる人も少なくはありません。
資産性だ、居住コストだ、などと、あまり合理的に考えすぎてしまうと、人生に遊びがなくなってしまうのもある意味考え物ですね。