※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。
モンスタークレーマーにご用心
エアコンが設置できない。から始まった
某物件の大家と賃借人の話です。
某物件を所有している大家は、この物件を全室空室の状態で購入し、外側の大規模修繕をして賃貸募集をすることにしました。
相場よりやや安めに賃料の設定をして、フリーレントも付けましたので、順調に入居が決まり、数か月で満室物件となりました。
安心していた矢先、一番最後に入居した賃借人からお怒りのお電話。
内容は、「エアコンが設置できない」とのこと。
大急ぎで購入当初の写真を確認したところ、エアコンが設置されている写真がありましたので、「エアコンは設置できますよ」と回答をしました。
設置できない。設置できる。の繰り返し
賃借人から何度も連絡が繰り返されましたが、大家はエアコンが設置できるので、設置できるからお調べください、と繰り返すしかありませんでした。
賃借人はなぜか調べもせず徐々にヒートアップし、
「エアコンが設置できないこんな物件には住めない。退去するので退居費用をよこせ、よこさないと、誹謗中傷がどこに書き込まれるかわからんぞ」
などという脅し文句まで発展していきました。再度言いますが、エアコンの設置は可能な物件です。
大家が某サイトのレビューを見たところ、捏造された誹謗中傷の嵐。
大家は憤りましたが、冷静な対応をすることにし、エアコン費用を負担するので大家側で設置することを提案しました。
高額の退居費用の請求
ところが、賃借人は、納得しません。再度言いますが、エアコンの設置が可能で、かつ、大家が費用負担して設置するとまで言っているにも関わらず。です。
賃借人は、退居費用を請求しました。賃料10万程度の物件です。初期費用と敷金を入れても30万程度の費用しか負担していないのですが…
請求金額は200万でした。入居の為に購入した家具類、慰謝料、引っ越し費用などまで諸々参入して請求したようです。
どういう対応もとれない
誹謗中傷は日々増えていきました。しかし大家側としては、これ以上譲歩のしようがありません、終始費用負担をしてエアコンを設置しますと繰り返すのみでした。
賃借人の要求は繰り返され、最終的には訴訟を提起する。と主張されたので、大家側はそれを受け入れざるを得ませんでした。
訴訟をしても事実は変わらない
何度も繰り返します。この物件へのエアコンの設置は可能です。
訴訟をしようがしなかろうが、エアコンの設置が可能なものはエアコンの設置が可能です。揺るぎようがない事実です。
しかし、訴訟期間は1年半もかかってしまいました。
訴訟になってから、賃借人が「エアコンが設置できない」から「エアコンが設置しにくい」に主張を切り替えたのも時間がかかった原因ですが。
もちろん勝訴となりました。しかし、大家側の手間とダメージはとんでもないですね。
金銭の不当な要求には毅然とした対応を
こういった人たちは、賃貸物件を渡り歩き、クレームと金銭要求を繰り返しているのでしょう。
恐ろしい話ですが、稀にこういった賃借人がいるのです。
こういったトラブルを防ぐためには、まずは、入居審査の際に、住民票を取得して、入退去歴を見る必要があります。理由が不透明な入退去が頻繁に行われている場合、この手のモンスタークレーマーの可能性がありますので注意しましょう。
また、不当な要求には屈せず、毅然とした対応をすることが必要です。
大家側に落ち度がないのであれば、訴訟になっても勝訴は取れますので。
インターネットサイトのレビューはいろいろと問題を巻き起こしてます。某飲食系のサイトでも、レビューと引き換えに金銭要求をする輩が多く、一時問題になりました。
こういった問題には消費者のネットリテラシーの向上も必要かと思われます。レビューはその時の感情で生じたものですし、レビューをネタに脅す行為が存在するという事実を認識して、インターネットのレビューを鵜呑みにしないで判断することが大事です。
消費者がレビューに流されず、参考意見として読むようになれば、こういった脅しに屈しざるを得ない人たちが減るでしょう。