ボロアパートを長期の借り入れでキャッシュフローをふんだんに得るスタイルもあれば、新築ワンルームマンションを購入し、老後に備えるタイプ、低利回りの都心の一等地を購入して将来の値上がりキャピタル狙いなど。いずれも正解はありません。今回はその中でも、負けない不動産投資についての個人的考察です。
※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。
負けない不動産投資
不動産投資のリスク
不動産投資には様々なリスクがあります。
主要なリスクを下記にざっとリストアップします。
【空室リスク】
・稼働が安定せず、賃料収入が得られない
【修繕リスク】
・修繕費用がかかり出費が多い
【売却リスク】
・売却しづらく、売却したら損失が発生する
【賃料リスク】
・景気変動や老朽化で賃料が増減する
【金利上昇リスク】
・金利上昇でキャッシュフローがマイナスになる
空室リスクを減らすには
稼働が安定しない要因は、まず、賃貸需要がポイントです。
賃貸需要の少ないエリアですと、必然的に自分の物件の空室の供給戸数に比べて、賃貸の申込数が少なくなってしまいます。また、周辺の供給戸数が多い場合も同様です。
間取りとしては、都心のワンルームの稼働安定性は解説する必要もありません。他には都心通勤圏のベッドタウンのファミリータイプ物件が、稼働が安定しやすい傾向があります。
なぜかというと、家族で住む場合には、転居コストが多くかかります。また、転校・転職などに関係する人間も多いので、手続きが煩雑になる点もあるため、一度居住すると転居が少ない傾向があるからです。
修繕リスクを減らすには
これは、建物の耐用年数と絡んできます。耐用年数が24年程度とされている木造アパートなどは、老朽化も早く、長く保有するにつれ各所が劣化し修繕費用が多くかかるようになります。
逆に耐用年数が47年と言われているRCマンションは、一定年数での大規模修繕が必要とはなりますが、基本的に老朽化しずらく、あまり手がかかりません。
鉄骨造のマンションは、見た目はRCマンションのように見えますが、経験上、やはりRCに比べると各所で劣化が早いです。小まめな修繕費の支出が多い物件です。
売却リスクを減らすには
多くの投資家が欲しがる好立地であれば、需要が厚いので価格下落リスクは高くないという考え方がありますが、需要が多ければ多いほど、実体価格と相場価格が乖離しますので、下落リスクが高いという見方もあります。こればっかりは正解はありません。
需要が厚くはないが、一定数の需要が横ばいで続いているエリアや物件はどうでしょうか?
こういったカテゴリは、需要が溢れていることがないため、早期に売却することは難しいですが、売り手も買い手も、相場上昇益を狙っていないようなこういった物件の方が下落リスクは少ないです。
また、長期保有で構えれば、売却リスクはそこまで気にする必要もありません。
賃料下落リスクを減らすには
物件の老朽化・陳腐化による賃料下落リスクを防ぐには、老朽化の少ない傾向がある、RCマンションが優位です。騒音問題も少なく清潔感も保てますので、賃貸選択の第一選択肢がRCマンションであることは、今後も変わりがないでしょう。
また、最初に述べた空室リスクの高いカテゴリですと、連動して賃料下落リスクを抱えることになりますので、空室リスクの少ないエリアや間取りの物件を選ぶことが重要です。
金利上昇リスクを減らすには
金利上昇でキャッシュフローが赤字になってしまうのは、主に購入利回りが低いことが原因です。利回りが高い物件を選ぶことで、金利上昇リスクに対応することが可能となります。
最近は都心部の低利回りの物件などが好んで買われている傾向がありますが、利回りが低すぎると、少し金利が上がってしまうだけでキャッシュアウトになってしまいます。
利回り7%程度以上の物件を選ぶことで金利上昇リスクを減らすことが可能です。ただし、長期で借り入れできる新築物件や、ある程度の頭金を入れることができるのであれば、7%以下の利回りでもリスクヘッジは可能です。
負けない不動産投資ができる物件
以上を踏まえると、負けないことをテーマとした場合、選定する物件は下記のような物件だといえます。
立地:賃貸需要が安定している都心通勤圏のベッドタウン
構造:鉄筋コンクリートor鉄骨鉄筋コンクリート
間取り:ファミリータイプ
利回り:7%程度以上
このカテゴリの物件は、爆発的な需要がある時期は見たことがありませんが、逆にいつの時代も、そこそこ需要があります。
保有していても安定した賃料収入が得られますので、需要が絶えることがないのです。もちろん、相場が爆発的上昇をすることはありませんので、キャピタルゲインを狙うことは難しいでしょう。ただ、買値から大きく欠損することも少ないです。
もちろん、こちらに挙げたカテゴリがすべて正解というわけではありません。
ただ、今回のテーマは負けない不動産投資ですので、そういう目的であればこのカテゴリの物件を探してみるのも良いでしょう。
多くの投資家が都心の低利回り物件に殺到しています。もちろん、需要が厚いので賃貸も売買も安定する訳ですから、正しい選択と言えば正しい選択です。
しかし、個人的には、トレンドを追いすぎると周りに振り回される機会が増えますので、ここに述べたような物件で粛々と不動産投資のうまみを得るような投資スタイルが好みです。
ハイリターンの陰にはハイリスク有、ローリターンの陰にはローリスク。ですね