不動産投資は、低価格帯の物件ほど利回りが高くなる傾向があります。それは、売買市場で人気のない物件であっても、売買価格よりも賃貸不動産としての最低価値が高いことがあるからです。
これは、例えば10万円で売買されている不動産だとしても、賃料1万円で借り手がつくことがある。という事です。
この場合の利回りは120%と高利回りとなりますが、そういった物件は現実的には、不動産投資の第一選択肢とはなっていません。一体なぜなのでしょうか?
※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。
不動産投資の修繕費と賃料の関係性
居住用賃貸の最低賃料
どのような不人気の不動産でも、居住用の賃貸であれば、申し込みまである程度の期間は必要ですが、1万~2万くらいであれば借り手がついてしまうことは多いです。
これはなぜなのか、おそらくは、居住用の賃貸を数千円で借りられるはずが無いという、無意識の世間のコンセンサスだと思われます。
4万~5万であれば、割と選べる物件が多いのですが、3万を切ってくると途端に物件数が減少しますので、そこに1~2万円の価値が生まれるのです。
10万円の不動産で利回り120%
となると、もし不動産を10万円で購入できれば、1万円で賃貸すれば年間収入12万となるため、利回り120%の超優良投資物件になってしまいます。
夢のような話です。
しかし、現実的には、こういった投資に投資家が殺到することはあまりありません。高価格帯の6%位の物件の方が人気があったりします。
この理由は修繕コストにあると思われます。
居住用不動産としての修繕コストは同じ
ここで考えたいのが、居住用不動産という一つのモノについてです。
居住用不動産を一つ貸す。という点においては、1万円の賃料の物件も30万円の賃料の物件も、一つのモノです。お風呂があり、トイレがあり、屋根があり…
居住ができる不動産であるから、最低価値として1万円~は担保される傾向があるので、居住ができない不動産になった場合は、その最低価値は担保されません。
ですから、1万円の賃料であっても、30万円の賃料であっても、居住用不動産であること、は維持しなければならないので、例えば、雨漏りが発生し、修理が必要とされた場合、修理をしないと借り手がつかない、もしくは退去してしまうのです。
そして、その為の費用は、基本的に、1万円の賃料であっても、30万円の賃料であっても同額です。
1万円の賃料の物件の場合だけ、修理費用が格安になるという事はありません。
1万円の賃料の物件で、雨漏りが発生した場合は、居住用不動産としての価値を維持しようとする限り、赤字のリスクを秘めているが、30万の賃料の物件ではそのリスクは低いという事になります。
リスクが少ない高単価物件ほど利回りが低い
こういう理由で、基本的には、賃料が高単価物件の方が低い利回りで流通する、という事になります。もちろん、物件の個性によっての違いはありますが。
ですから、利回り120%といえども、リスクを内在した120%という事は考えなくてはいけませんね。
テクニック次第ではお宝物件
しかし、ハイリスクの陰にはハイリターン有、チャレンジした者が勝者になれるのは不動産投資も他の投資と同じです。
ここでは述べませんが、こういった物件のリスクを減らすテクニックも様々あります。
こういったリスクテイク、リスクヘッジなどのテクニックを積めば、10万円の不動産を1000万円分かき集めた時に1000万円の投資で年間収入1200万を得ることが可能です。
これができれば超効率投資が成り立ちます。
このように、完全な正解がないところが不動産投資の面白さでもありますね。
物件の広さによっても、修繕費の支出額は変わってきます。面積が大きい物件ほど、保守しなければならない箇所も増えてきますので、同じ賃料帯でも修繕コストのリスクが変わってきます。修繕費リスクだけに着目する場合は、都心部の築浅ワンルームには、やはり一日の長があるのかもしれません。