不動産投資を始めるにあたって、ワンルームマンション投資から検討する方は多いと思います。しかし、どういう目的でワンルームマンション投資をするのでしょうか。
不動産投資の目的は様々で、目的に応じて適切なカテゴリがあります。今回はワンルームマンション投資に適した目的、メリットとデメリットを解説します。
※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。
ワンルームマンション投資
ワンルームマンション投資の目的
新築ワンルームは、金融機関の借り入れハードルが低いのが魅力です。物件担保評価が出やすく、新築RCという事で耐用年数も47年と長いので借入期間も十分にあります。サラリーマンの方なら頭金を用意すれば、案外すぐ物件購入の話が進んでしまうでしょう。
新築ワンルームは、気軽に買える反面、新築ということもあり、物件価格が高く、利回りが低いことが殆どです。月々の返済と賃料収入はほぼ同額か少しキャッシュフローが出るくらいの価格でないと買えないことが多いと思います。
そうなると、月々のキャッシュフローは多く入ってこないので、目先の現金収入目当ての目的であるなら、新築ワンルーム投資はあまり適していないでしょう。
では、目先の現金収入が入ってこないのに、なぜわざわざ融資を組んでまでワンルームを買うのか?それには次のような仕組みがあるからです。
①減価償却を利用した税金対策
減価償却については、減価償却の項目で説明しましたが、建物の経年劣化を価値の減少として、耐用年数の期間、経費として使える現金支出のない経費です。
この減価償却を利用すれば、実際は現金支出をしていないのに、赤字を出すことができます。
サラリーマンは、給料が高額になればなるほど税金があがります。しかし、不動産所得を赤字にして、確定申告をすることで、年間の所得金額を押し下げることができるため、その分税金が還付されます。
この税金の還付効果を利用すれば、借り入れ返済金と賃料がほぼ同一で、賃貸物件からの現金収入がないとしても、 税金還付分の収入を得ることができます。
サラリーマンは副業ができない企業が多いのですが、不動産賃貸業は許されることが多いので、サラリーマンの税金対策目的としてのワンルームマンション投資は人気があります。
②何もしないで不動産が手に入る
ワンルームマンションの投資目的はもう一つあります。賃貸物件の場合は、賃料収入によって借入れ返済金を支払うことができるため、本人は基本的には何もしないでも、保有しているだけで返済が進んでいきます。
借入期間分保有し続けた場合、借入金の返済は終了しますから、その先は賃料収入がまるまる入ってきます。まさに年金替わりです。場合によっては売却することで、一括で現金を手に入れることができます。
こういった老後の年金対策でも利用されています。
ワンルームマンション投資のメリット
① 減価償却で本業の税金を減らすことができる
② 将来的に年金替わりの資産を得ることができる
ワンルームマンション投資のデメリット
①空室期間は現金支出が必要
投資にはメリットもあればデメリットもあります。デメリットを知ることで正しい判断や適切な物件の選択が生まれます。
不動産投資として当たり前ですが、空室が出た場合は、その期間収入が入ってきません。そうすると、その間の返済は自分で負担する必要があります。
また、管理費・修繕積立金・固定資産税等の支出もあります。収入限界値まで借り入れを起こしていたりすると、危機的状況に陥る場合があります。それに加え、年数が経つにつれ賃料が下がっていくこともあり得ます。
一棟マンションであれば、1室退去しても他の部屋の賃料収入があるため、リスクヘッジが可能なのですが、ワンルームを1戸保有してるのみでは、1戸空いたら賃料がゼロになります。事前にシミュレーションが必要です。
②借入枠を使ってしまう
金融機関は信用情報によって、本人の借入れ状況を共有することができます。投資用ワンルームマンションの借入れを何本も持っていたりすると、与信に影響がでます。特に住宅ローンを借入する前にワンルームマンションの借り入れを起こしていると住宅ローンの借り入れに影響が出る場合があります。
また、投資スタイルを切り替えたいときも苦労します。節税対策のワンルーム投資の場合は、赤字で申告をしますので、不動産賃貸事業への見方が悪くなります。1、借入総額の量 2、賃貸事業の赤字 を見られると、与信はかなり悪くなりますので、違うカテゴリの物件を購入したいときには足かせとなります。
③早期売却すると赤字になりやすい
①や②の状況が発生したとき、簡単に解決する方法は、売却してしまうことです。売却して、その売却代金で借入金を返済すればすべての問題は解決します。
ただ、新築ワンルームマンションの場合は、当初新築プレミアが付加された価格で売り出されるので、購入してからの売却の場合は、新築プレミアが無い状態で売却することになりますので、買値より安くしか売れないことが多いです。
ワンルームマンション投資のデメリット
① 空室期間は現金支出が必要になる
② 借入枠を使ってしまい与信に影響
③ 早期売却で赤字になりやすい
以上が新築ワンルームマンション投資のメリットとデメリットです。色々と書きましたが、投資に絶対はありません。メリットデメリットを理解して、最適の一手を打ちましょう。