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不動産取引における決済の流れ

不動産の売買取引は、通常、売買契約の中でも、契約時期と代金支払時期等が違うというやや特殊な形式をとることが多いです。初めて不動産の売買をする方にとっては、慣れないことで戸惑いを持たれるかもしれません。今回は不動産の決済の当日の流れについての解説となります。

※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。

不動産取引における決済の流れ

不動産を売買するためには準備が必要

不動産は、気軽に売買することができません。買うためには住宅ローンの融資が必要であったり、引越しの準備であったり。売る時には、部屋の片づけや、住宅ローンの抵当権の抹消手続きだったりと、非常に作業が多いです。

そのため、不動産取引ではまず、契約で約束をして、準備期間を設け、その後履行するという形をとることが多いです。

契約では、様々な約束事をしますが、その中でも重要な下記3つを、最終的に同時に行うように設定します。

・物件の引渡し(鍵の引渡し)
・代金の支払い
・所有権移転 ≒ 所有権移転等登記

この3つをなぜ同時に行うかというと、同時に履行しなければリスクがあるからです。

例えば、物件の引渡前に代金の支払いをした後に、物件の引渡しができなくなった場合、住む家がなくなってしまうリスクが発生してしまいます。よって基本的にはこの3つを決済日に同時履行するように定められます。

 

決済当日の流れ

重要な3つを同時に履行すると説明しましたが、すべて同時に履行するのは難しいので、ある程度流れがあります。当日は、次のような流れで進みます。

 

1、所有権移転等登記ができるか確認

所有権移転等登記は、本来法務局で申請をして初めて登記簿に書き込まれます。しかし、そうであれば法務局で決済をしなければならず、スムーズに進めることができません。

さらには、登記申請をして、代金の支払後に登記申請書に誤記があり、後日却下とされてしまうと、代金の支払いをしているにもかかわらず所有権移転等登記がされていないという、かなり不安定な状況が生まれてしまいます。

であるため、決済の場では、【司法書士】という登記の専門家が立ち会います。司法書士が、所有権移転や抵当権の抹消登記ができる書類が揃っていることを確認してから、次に進めます。

 

2、代金の支払い

不動産の物件の引渡しは、基本的には鍵を渡して終わります。事前に鍵を確認しておけば、代金の支払い手続きに入れます。住宅ローンで借入れしたお金で購入する場合は、銀行に、融資の実行をお願いすることになります。融資の実行から、完了までは少し時間がかかります。

 

3、鍵の引き渡し

不動産の引渡しは、鍵の引渡しです。お金が相手に渡ったことを確認してから鍵を引渡します。もちろん室内には何も残されていない状態でなくてはいけません。できれば、事前に確認をしておくことが必要です。間に仲介業者がいると、事前に確認してくれていたりします。

POINT
・不動産決済とは、①代金支払②物件引渡③移転登記を同時に行う場のこと
・司法書士が登記書類を確認してから、代金支払・物件引渡に入る
・物件の状況はできれば事前確認

 

決済はこういった流れで行われます。たまに司法書士費用を節約する為に、自分で登記したいと言う方もいらっしゃいますが、責任をとれる司法書士がその場で確認をすることで、所有権移転登記に変えているのが決済の仕組みです。
ですから、基本的にはお勧めしていません。自分で登記をする決済はかなりリスクがあると考えていただいた方がいいと思います。