
都市計画区域の中で、市街調整区域という区域があります。この、市街化調整区域というのは、行政が定めた【市街化を抑制する】区域なので、家を建てることに大きな制限が課されます。
しかし、市場に流通している商品の中には、市街化調整区域であっても、普通に売買されていることがあるため、この点について疑問をもつ方が多くいらっしゃいます。
今回は、この市街化調整区域についての家の売買についての話です。
※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。
市街化調整区域の物件の取引
市街化調整区域に居住用の家を建てる場合
市街化調整区域は、冒頭に説明した通り、【市街化を抑制する】区域なので、基本的に建築の制限を受けます。例外的に許可を得れば建築できるものはあるのですが、原則、居住用の家に関しては、市街化調整区域の設定がされる前から住んでいる人やその家族の、自己居住用の家でなくては建てられません。
建築許可の要件は属人的なものとなりますので、居住用の家の不動産取引として成立しないことが多いです。
既存宅地制度とは?
ただし、昔、既存宅地制度という制度がありました。この制度は2001年に廃止されましたが、市街化調整区域の設定前からおおむね50以上の連なって集落を構成している中の、宅地となっていた土地に関して、一定の条件を満たせば、一部の建築行為の許可が不要となる。という制度でした。
この制度が適用されているエリアの土地戸建ての売買は、市街化区域に準じた取り扱いになりますので、不動産取引が成り立っていました。
既存宅地制度は廃止されたが…
既存宅地制度は廃止されましたが、2020年現在でも、市街化調整区域の居住用の家が取引されるケースは少なくないです。上記で述べた原則を組み合わせると、不可解に思うこともあると思いますが、その理由は「条例」にあります。
都市計画法34条11号12号に基づく区域
都市計画法34条11号12号は、都道府県等の条例により、市街化調整区域においても、住宅等を建築可能にしても良い区域を指定しても良い。という法律です。
どの区域をどのような条件で指定するかは、自治体によってさまざまなので、必ず確認が必要ですが、市街化調整区域の設定前からおおむね50以上の連なって集落を構成している中の、宅地となっていた土地などは、この区域に指定されている可能性が高いです。
こういった区域は、市場流通性が高いので、不動産取引市場に登場してきます。市街化調整区域であっても、こういった区域の物件であれば取引は可能です。自治体に問い合わせをすれば、指定区域かどうかを教えてくれますので、確認をしてみましょう。
リスクはゼロではない
とはいえ、都市計画法ではなく、それぞれの自治体が定める条例が根拠となりますので、改正する可能性は少なからずあります。ですから、市街化調整区域内の家を購入する際には、改正により建替えや売買が困難になってしまうリスクをしっかりと考えて、購入を決断しましょう。また、逆に、都市計画の見直しにより市街化区域になる可能性もないわけではありません。
POINT
・市街化調整区域には原則、家の建築に厳格な許可が必要
・一定の条件を満たす集落であれば既存宅地制度の適用があった
・既存宅地制度の制度は現在は廃止されている
・条例で建築可能と定めている市街化調整区域はある
・リスクはあるので慎重に検討しましょう