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リースバックとリバースモーゲージで老後対策

2019年6月、人生100年時代を見据えたうえで必要な老後資金は夫婦で2千万円が必要だと、金融庁が発表しました。公的年金制度が実質破綻しているからこそのこの発表だと思いますが、老後資金に不安を感じざるを得ません。
人生100年時代の老後資金対策として不動産を活用する仕組みが出てきています。今回はその仕組みをご紹介します

※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。

リースバック方式とは?

 

リースバックの仕組み

リースバックの仕組みは、簡単に言うと、現在の持ち家を売却して、その買った人から、売った持ち家を賃借する。という仕組みです。

賃料は月々支払わなくてはならなくなりますが、一括でまとまった資金が入ってきますので、その資金と年金から賃料を切り崩すことで、ある程度優雅な生活ができる場合があります。

持ち家を売却して、他の賃貸物件を借りるという方法に近いですが、大きな違いは、今まで住み慣れた家にそのまま住めるという事です。買戻特約を設定してもらえる場合は、もし買い戻したくなれば、買い戻しも可能な場合があります。

 

リースバックのデメリット

リースバックの最大のデメリットは、相場より安く売らざるを得なくなる。という事です。基本的に、賃貸中の物件というのは、空き家の物件より安くなる傾向があります。

居住目的での購入をする層が検討しない為、その分需要が少なくなるためです。リースバックという仕組みでは、買い手にとっては不動産の利用に制限がかかるため、安くせざるを得ないことが多いです。

POINT
・現在の持ち家を売却しそのまま賃貸する仕組み
・まとまったお金が手元に入る代わりに賃料が発生する
・住み慣れた家に住めるメリットがある
・買い戻し特約を設定すれば買い戻しできる場合もある
・基本的に売却代金は相場よりやすくなる

 

リバースモーゲージとは?

 

リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージも、老後資金対策として流行している仕組みですが、こちらは、持ち家を担保にお金を借りる。という仕組みです。

といっても、一気にお金を借りて、返済していくという形ではなく、根抵当権という、担保の枠を設定し、その枠内で必要に応じて借り入れをしていくという形です。

返済は、死亡時に一括で返済という商品が多いですが、利息だけの支払いが必要だったり、利息は借入金枠に組み込む方式だったりと商品によって異なります。

 

リバースモーゲージのデメリット

リバースモーゲージのデメリットは、金利が発生しますので、利率が増えてしまい借金部分が増えてしまうことや、評価額に応じて担保評価の見直しが図られることなどです。主に経済変動によって生じるリスクです。

後は、借入れに相続人全員の同意が必要とされることが多いため、同意が得られない場合は、この仕組みは使えません。前述のリースバックの場合は、同意が不要です。

 

POINT
・持ち家を担保にお金を借りる方式
・極度額の枠内で自由に借りることができる方式が多い
・支払いは借入枠組み込みか金利のみが多い
・金利変動リスクがある
・担保評価の見直しリスクがある
・借入れに相続人全員の同意が必要

高齢化社会といわれているこの時代に、さらに人生100年時代という事で、老後資金に対するサービスはますます拡充していくと思われます。リースバックとリバースモーゲージ、それぞれ長所と短所がありますが、こういう仕組みがあることを知ることで、老後計画も見直しができると思います。
しかし、シンプルに、持ち家を売却して老人ホームに入るというパターンもありますよね。