住宅ローンの支払いの相談件数が急増しているようです。経済環境が悪化してしまうと、収入が減少し、借入限度額まで借り入れしていた人たちは返済が困難になってしまいます。現実的にこういった状態に直面したらどういう手段をとるべきなのでしょうか?
※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。
住宅ローン滞納の可能性がある場合
そのまま放置していても悪化の一途
住宅ローンを利用して住宅を購入したとしても、借入期間内で収入が減少してしまうこともあります。
比較的余裕を持った借り入れをしていた場合は、多少の収入源にも耐えられるでしょうが、返済可能の限界枠ギリギリまで借り入れをしていた場合、すぐに滞納リスクにさらされてしまいます。
収入減が経済市場の悪化などの原因ではないのであれば、転職や開業、新規事業などで対応の見通しがたてられる場合がありますが、経済市場が悪化してしまうと、先々の見通しもたてられず不安になります。
こういうリスクに直面した場合は、早め早めの対応が必要です。
金融機関に相談することができる
収入減少が一過性のものであると判断できる場合は、目先の支払いを融通してもらえば立て直しが図りやすくなります。
こういった場合、金融機関によっては、相談に応じてくれるケースがあります。
リーマンショック時の不況の際は、各金融機関が返済年数を引き延ばしたり、一定期間の支払いを減少させたりという対応をしておりました。
2020年のコロナウイルスにおける経済不況でも同様の施策が行われつつあります。
参考サイト:住宅金融支援機構 住宅ローン返済にお困りの方へのお知らせ
早めに買い換えるという選択
収入の見通しが立たないのであれば、早めに買い換えるのも一つの方法です。
滞納が始まってしまうと、新規の住宅ローンの借り入れに影響が出てしまいますので、その後数年間は、住み替えようとしても、その選択肢が賃貸物件しかなくなってしまいます。
まだ返済歴にキズが付いていない段階であれば、新規の住宅ローンが組めますので、返済可能額が少ない物件に買い換えることは可能です。
損益通算が利用できる
売却益が出せるような運の良い方であれば、売却して当面の生活費を得ることも可能ですし、仮に売却損が出る場合でも、条件によっては、数年間損益通算が利用できる可能性があります。
マイホームの売却で売却損が出る方は、特定の条件を満たせば、最大三年間税金還付を受けることができるのです。
買い換えで月々の支払いを減らしたうえで、数年間の税金還付があれば、その間に立て直しを図ることが可能です。
売却額が残存債務額を下回る場合
この場合は、売却が難しくなりますので、任意売却という方法を取ることになりますが、一定の現金を持っている場合はその差分を現金で充当することで、任意売却ではない形での売却が可能です。
もちろん、シミュレーションが必要ですが、状況によっては、一部充当して返済したほうが良いケースもありますので、検討の価値はあります。
先手先手の対応を
いずれにせよ、早め早めの対応を取ることで、ダメージを減らすことが可能です。時間の経過に伴い、状況が悪化する可能性もあります。
少しでも滞納の可能性が見えてきているのであれば、税理士、不動産業者などに相談をしながら、最適な選択をすることが重要です。
何事も後手後手に回ると、行き詰る可能性が出てきます。早期に対応を取ることで、被害を減らすことが可能なことはとても多いです。
住宅ローンは、返済比率が高くても借りれるありがたい商品なのですが、逆に返済枠限界まで借りてしまうと経済変動などでのリスク感応度も高まってしまいます。住宅ローン利用時には、余裕を持った資金計画をすることが重要です。