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借地物件とは?賃借権と地上権の違い

不動産のチラシを見ていると、よく土地権利という項目があります。土地の権利?土地権利って所有権以外に何があるのか、一般の人はそう思うでしょう。実は土地の権利は、所有権のほかに借地権という権利が設定されている場合があります。

※重要な判断に関与する記事です。判断をされる際には、必ずご自身で専門家等に事実確認をお願いいたします。

借地権とは?

借地権とは、その文字通り、土地を借りている権利となります。ただ、土地を借りているだけではなく、建物の所有目的で土地を借りた場合に、借地借家法上の借地権となります。

建物の所有目的で、月々幾らで、何十年間貸してもらいます。と約束をして土地を借りれば、そこで借地権が発生します。これを賃借権による借地権といいます。

また、 建物の所有目的で、 月々幾らで、何十年間、ある程度自由に使わせてもらいます。という民法に規定されている地上権という権利を設定することで、地上権による借地権が発生することもあります。

不動産はとても高額商品で、それを借りる権利なので、とても価値が高く、この権利自体が売買対象となってきました。

 

賃借権による借地権

賃借権による借地権は、権利売買できるとはいえ、人から借りる権利なので、原則、勝手に譲渡したり、建物を勝手に建て替えたりはできません。

ただし、地主によっては、承諾料を払うことによって、認めてくれたりします。この承諾料は事前に取り決めがされている場合もあれば、そうでなく、都度設定する場合もあります。

また、一定の期間を迎えるたびに、契約の更新として、更新料を支払わなければなりません。大体20~30年に一回です。事前に更新料の取り決めがない場合は、トラブルになる可能性がありますので注意しましょう。

ただの約束なので、契約解除したりされたら、権利を失ってしまう怖さもありますが、借地借家法という法律によって、ある程度守られたりはします。

建物を所有する目的で設定した借地権の場合、地主側によっぽどの理由があったり、借主側によっぽどの落ち度がないと、解約できないようになっています。

 

地上権による借地権

地上権による借地権は、賃借権による借地権に比べ、制限が少ないのが特徴です。

月々地代が発生する点と期間の定めがある点は同じですが、地上権の場合は、建替えたり譲渡したりという行為を勝手にできますし、承諾料も不要です。

賃借権はあくまでも、人からモノを借りる権利ですが、地上権の場合は、民法上物権といって、そのモノに対して設定する権利なので、モノの使用収益の幅が広く設定されます。賃借権と比べるとかなり使い勝手は良いでしょう。

地上権は、賃借権と所有権の中間の権利、と理解すると良いでしょう。

 

借地権の物件の注意事項

いずれにせよ、借地物件は、地代が発生します。地代の額次第では、契約継続も難しくなりますので、必ず地代の額は確認しましょう。

 

1、譲渡・建替承諾料・更新料に注意

譲渡する度、建て替えする度に協議するのは手間ですし、承諾料や更新料は法律の定めがないので、地主次第で大きく増減があります。あまりにも法外な金額だとさすがに権利の濫用といわれますが。

売る時も売りにくいですし、建て替えも大変ですから、一般の人は、あらかじめ承諾料・更新料の計算方法の定めの設定がされている物件を選びましょう。

 

2、地主が変わることがある

借地権が設定されていても、元の土地の所有権自体は残っていますので、その所有権を売買することができます。借地設定した土地の所有権のことを底地といいます。

底地の売買により、土地の所有者が変わってしまうことがあるのですが、その場合に、悪徳な人が地主になったりすると、地代の支払いを【持参払い】などに切り替えてきたりします。

そうして支払い自体を面倒な状態にし、滞納させて、契約解除をしてくることもありますので、注意してください。

 

3、借地部分は基本的に非課税

税金は所有権に課税されますので、固定資産税や都市計画税、不動産取得税、賃借権で登記しない場合は、登録免許税も不要となりますので、税金面ではかなりお得です。

地上権の場合は登記がマストのため登録免許税は必要となりますが、所有権よりは安いです。もちろん建物部分には税金はかかります。

 

まとめると、借地権は取得コストが所有権より安いが、その代わり権利自体は若干ながら不安定という権利ということになります。

コストの高い安心をとるか、不安定だがコストの安い方法を選ぶか、あなた次第です。

POINT

・借地権とは、建物保有目的で土地を賃借・地上権設定したとき発生する権利

・賃借権は、勝手に譲渡したり建替えたりすることはできない

・地上権は、勝手に譲渡したり建て替えたりすることが可能

・賃借権の場合は、譲渡・建て替え承諾料に注意

・地主が変わると困ってしまうことがある

・借地部分は基本的に非課税となる